2022年秋冬、ALMOSTBLACKのコレクションにおいて、世界的な写真家である細江英公氏とのコラボレーションを実現しています。参考までに同氏は1960年代に三島由紀夫をモデルに起用した前衛的な作品を発表し、大きな反響を呼んだ作家です。AW22シーズンのALMOSTBLACKのコレクションテーマは「Body Drama」。細江英公氏の代表的な作品のシリーズの一つ「おとこと女」をインスパイア源として構築しています。単純に作品を視覚的に服に施すのではなく、細江氏の作品作りに対する思想をファッションデザインのプロセスに重ね合わせ、人が服を纏う、つまり肉体と衣の関係性やドラマを伴う物として捉えた上で、細かなディテールやシルエット、カラーリングなどに反映させたコラボレーションです。本アイテムは、ALMOSTBLACKが得意とするミリタリー要素を盛り込んだ男らしいレイヤーコートです。保温性の高いプリマロフトを中綿に用いたロング丈のキルティングライナーの上に、イギリス軍のフライトジャケットをベースにしたブルゾンを重ねた3way仕様がポイント。表側のブルゾンはコットン生地の為、秋口や春先に軽く羽織るライトアウターとして使用でき、ライナーを取り付ければ冬仕様として使える3シーズン対応が可能です。また、キルティングライナーにも細江氏の作品がプリントされた生地が贅沢にコラージュされていますので、ライナーの一枚でも十分ご堪能頂ける点は嬉しいですね。毎回、著作権を有するアーティストサイドにコンタクトを取り、正式なオファーを申し入れ、より深く、じっくりと追求した内容でコレクションを製作しているALMOSTBLACKに是非ご注目ください。
ALMOSTBLACK公式通販 オールモストブラック正規取扱店
マネキン着用サイズ : 2
マネキンサイズ
身長182cm、バスト90cm、ウエスト76cm、ヒップ88cm、肩巾53cm、袖丈63cm、頭回り59cm
RAF SIMONS STUDIOで経験を積んだ中嶋峻太氏が手掛けるメンズブランドALMOSTBLACK ( オールモストブラック ) の22AWコレクションから、レイヤーコートのご紹介です。
21AW、22SSのALMOSTBLACKは「白髪一雄・白髪富士子」とのコラボレーションでしたが、22AWは世界的な写真家である「細江英公」とのコラボレーションアイテムを展開しています。
細江英公氏が頭角を現す1950年代〜60年代は、感覚的表現よりも記録性を重視するリアリズム写真が席巻していました。そのような中で細江英公氏は「写真家は被写体との関係性によって表現をつくり出していくもの」との考えを持ち、多くの人物に影響を与え続けている写真家です。
リコー社によるインタビューでも、「写真の本質は " 記録性 " なんだけど、決して無味乾燥なものではないんです。人が介在するから」。と語っています。
22AWのALMOSTBLACKのテーマは「Body Drama」。
下記はブランドオフィシャルリリースです。
日常というドラマ:戯曲のなかで、服は人間の一番近くにある存在の一つである。
写真家・細江英公氏の「おとこと女」シリーズは、肉体をフォルムとして捉え、コントラストは強く、粒子は荒く表現している。
身体を意識するタイトなシルエット、服の輪郭を荒くする為に外に出した縫い代、白とグレーと黒のみの世界。
細江氏による写真論に「写真とは写真家と被写体の関係の芸術」という言葉がある。
服は着る人の手に渡った時点で作り手から離れるが、服自体は時に着る人の身体の上でドラマを作り、その関係性は続いていく。
このようなリリーステキストから分かるようにALMOSTBLACKブランドは、アートコラボレーションに対して他ブランドと異なる表現をします。
一般的にはアーティストやクリエーターの作品のみを服上にプリントする、刺繍する、etc。つまり、あくまで服の上に視覚的な作品のみを取り付ける方法論をとります。ALMOSTBLACKは視覚的なプリントも用いますが、一人のアーティストを深く掘り下げ、アーティストの考え方やメッセージ、そして作品が持つ特徴や方向性、そして世界観。つまりは視覚化出来ない部分を、服上でデザインやディテール、カラーパレットなどで表現しようとしている事が世の中に溢れている一般的なコラボレーションとの差です。ARTとFASHIONの本当の意味での融合を目指しています。
細江英公氏の「おとこと女」に関して
写真批評家の福島辰夫氏は細江英公氏の「おとこと女」に関して、「おとこと女」以前には「女性なら、女性の写真として、きれいだとか、うまいとか、あるいはその反対だと言われることがあっても、われわれの「生」の内面的なたたかいの軌跡として、男や女の顔や体や、さまざまな写真の効果が集中された写真はなかった」。と述べています。「おとこと女」という作品は、「女性らしいやわらかさ」だとか「男性らしいたくましさ」などといったステレオタイプなジェンダー表象にはとどまらないと評されています。
細江英公氏は「おとこと女」というタイトルについて下記のように述べています。
「女」の漢字をみるとしなやかです。しかし「男」があまりにも角張って権力的で古典的な男という印象を持つものですから「おとこと女」としました。
細江英公/ Eikoh Hosoe
1933年 山形県に生まれる
1951年 「富士フォトコンテスト」で学生の部最高賞を受賞
1952年 東京写真短期大学写真学部 ( 現東京工芸大学 ) に入学した後、前衛芸術家グループ「デモクラート美術家協会」を組織した著名な芸術家である瑛九と縁を結ぶ
1954年 同校卒業
1956年 初の個展「フォトストーリー・東京のアメリカ娘」を小西六ギャラリーで開催
1957年 写真評論家の福島辰夫が主催した展示会「10人の眼」に参加。この展示会参加をきっかけにセルフ・エイジェンシーVIVOを結成
1960年 個展「おとこと女」で日本写真批評家協会新人賞を受賞
1963年 三島由紀夫をモデルにした「薔薇刑」が大きな反響を呼び、日本写真批評家協会作家賞を受賞
1970年 「鎌鼬」が芸術選奨文部大臣賞を受賞
1998年 紫綬褒章を受章
2003年 世界を代表する写真家7人のひとりとして英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章
2006年 写真界の世界的業績を顕彰するルーシー賞 ( アメリカ ) の「先見的業績部門」を日本人として初受賞
2007年 旭日勲章を受章
2007年 旭日・金・銀星勲章を受章
2008年 毎日芸術賞受賞
2010年 ニューヨークにてナショナル・アーツクラブより日本人として初めて写真部門生涯業績金賞を受賞
2010年 教育部文化功労者に指定される
●本アイテムは100%コットンの二重織ツイル生地を用い製作されています。
●イギリス軍のフライトジャケットをベースに、ライナーにはアメリカ軍のM-65モッズコートのライナーを立ち襟仕様に変えアップデートしたものを搭載しています。ドッキングも勿論可能ですし、それぞれ単体でも着用可能です。
●フライトジャケットの後身頃のプリント部分は細江英公氏の1960年の作品である「おとこと女#16」です。細江英公氏のゼラチン・シルバー・プリント ( 銀塩写真 ) を再現しています。
●ライナーのパッチプリント部分は細江英公氏の1959年の作品である「おとこと女#14」、「おとこと女#32」、1960年の作品である「おとこと女#16」、「おとこと女#24」、「おとこと女#33」です。
●ライナーの肩部分にスナップボタンが付いておりフライトジャケットとドッキング可能です。
●ライナーのウエスト両脇部分にポケットが付いています。
●ライナーの中綿には100%ポリエステルのプリマロフト®が施されており保温機能もあります。プリマロフト®は元々US軍の為に開発された超微細マイクロファイバー素材です。羽毛のように軽量で保温性と柔軟性が特徴。また羽毛にはない撥水性もポイントです。
●ライナーは瓢箪 ( ひょうたん ) 型のキルティングステッチを採用しています。
20220613
FABRIC : BODY ( Cotton100% ) , PADDING ( Polyester100% )
COLOR : Black
COUNTRY OF ORIGIN : Japan