2022年秋冬に引き続き、2023年春夏も世界的な写真家である細江英公氏とのコラボレーションを実現しています。参考までに同氏は1960年代に三島由紀夫氏をモデルに起用した前衛的な作品を発表し大きな反響を呼んだ作家です。SS23シーズンのALMOSTBLACKのコレクションテーマは「EMBRACE」。一貫して人間の身体に向き合ってきた細江英公氏の代表的な作品のシリーズの一つ「抱擁」をインスパイア源として構築しています。単純に作品を視覚的に服に施すのではなく、細江氏の作品作りに対する思想をファッションデザインのプロセスに重ね合わせ、人が服を纏う、つまり肉体と衣の関係性やドラマを伴う物として捉えた上で、細かなディテールやシルエット、カラーリングなどに反映させたコラボレーションです。左胸に同氏の作品をプリントし、アートとファッションの融合を試みた本アイテム。細江氏の作品の色彩と調和するように強いコントラストを感じさせる白と黒の切り替えデザインを特徴としていますね。また、後身頃が身体を包みこむイメージで脇線を前身頃側へ寄せたパターンとしており、前後の着丈に高低差を付けている事で着用した時のバランスに個性を感じさせるような仕上がりとしています。現代の価値観とは異なる時代背景を感じさせる細江氏の作品ですが、アートとして後世に残すべき貴重なコラボレーションである点に間違いありません。また、サイズはALMOSTBLACKが得意とするやや大きめのシルエットとし、リラックス感のある佇まいがアートとの整合性を高めているようにも感じます。
ALMOSTBLACK公式通販 オールモストブラック正規取扱店
マネキン着用サイズ : 2
マネキンサイズ
身長182cm、バスト90cm、ウエスト76cm、ヒップ88cm、肩巾53cm、袖丈63cm、頭回り59cm
RAF SIMONS STUDIOで経験を積んだ中嶋峻太氏が手掛けるメンズブランドALMOSTBLACK ( オールモストブラック ) の23SSコレクションからハイネックドロップショルダーTシャツのご紹介です。
23SSは22AWに引き続き、世界的な写真家である「細江英公」氏とのコラボレーションアイテムを展開しています。
細江英公氏が頭角を現す1950年代〜60年代は感覚的表現よりも記録性を重視するリアリズム写真が席巻していました。そのような中で細江英公氏は「写真家は被写体との関係性によって表現をつくり出していくもの」との考えを持ち、多くの人物に影響を与え続けている写真家です。
リコー社によるインタビューでも、「写真の本質は " 記録性 " なんだけど、決して無味乾燥なものではないんです。人が介在するから」。と語っています。
23SSのALMOSTBLACKのテーマは「EMBRACE」。細江英公氏の1971年の作品である「抱擁」からインスパイアを受け製作しています。「抱擁」の序文は三島由紀夫氏が寄稿しており、( 抱擁は ) とりわけ高い峻険であり、達成であったと云わねばならない。と絶賛している作品です。
下記はブランドオフィシャルリリースです。
一貫して人間の身体に向き合ってきた写真家・細江英公氏の「抱擁」シリーズは、静的で、写真の質感も皮膚の濃淡を繊細なグラデーションで表現している。23SSのコレクションでは白・黒・グレーに加え、「抱擁」の初版の表紙の色であるピンクを加えた。その色は皮膚の下にある塊を思わせた。そして作品に見られる皮膚と皮膚の境界線を、パターンの切り替えやレイヤード、ジッパーの重なりで表現した。服は様々な方法で身体を覆い、それは布による「抱擁」にも感じられた。
このようなリリーステキストから分かるようにALMOSTBLACKブランドはアートコラボレーションに対して他ブランドと異なる表現をします。
一般的にはアーティストやクリエーターの作品のみを服上にプリントする、刺繍する、etc。つまり、あくまで服の上に視覚的な作品のみを取り付ける方法論をとります。ALMOSTBLACKは視覚的なプリントも用いますが、一人のアーティストを深く掘り下げ、アーティストの考え方やメッセージ、そして作品が持つ特徴や方向性、そして世界観。つまりは視覚化出来ない部分を、服上でデザインやディテール、カラーパレットなどで表現しようとしている事が、世の中に溢れている一般的なコラボレーションとの差です。ARTとFASHIONの本当の意味での融合を目指しています。
●本アイテムは100%コットンの天竺生地を用い製作されています。
●前身頃の左胸部分に細江英公氏の1970年の作品である「抱擁#15」をインクジェットプリントしています。
●肩線をかなり後身頃側にして、サイドの脇線を前身頃側にしたパターンが特徴です。前身頃側はセットイン、後身頃側はラグランスリーブの様になり、この事は抱擁しているかのようなイメージで生み出したパターンです。
細江英公/ Eikoh Hosoe
1933年 山形県に生まれる
1951年 「富士フォトコンテスト」で学生の部最高賞を受賞
1952年 東京写真短期大学写真学部 ( 現東京工芸大学 ) に入学した後、前衛芸術家グループ「デモクラート美術家協会」を組織した著名な芸術家である瑛九と縁を結ぶ
1954年 同校卒業
1956年 初の個展「フォトストーリー・東京のアメリカ娘」を小西六ギャラリーで開催
1957年 写真評論家の福島辰夫が主催した展示会「10人の眼」に参加。この展示会参加をきっかけにセルフ・エイジェンシーVIVOを結成
1960年 個展「おとこと女」で日本写真批評家協会新人賞を受賞
1963年 三島由紀夫をモデルにした「薔薇刑」が大きな反響を呼び、日本写真批評家協会作家賞を受賞
1970年 「鎌鼬」が芸術選奨文部大臣賞を受賞
1998年 紫綬褒章を受章
2003年 世界を代表する写真家7人のひとりとして英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章
2006年 写真界の世界的業績を顕彰するルーシー賞 ( アメリカ ) の「先見的業績部門」を日本人として初受賞
2007年 旭日勲章を受章
2007年 旭日・金・銀星勲章を受章
2008年 毎日芸術賞受賞
2010年 ニューヨークにてナショナル・アーツクラブより日本人として初めて写真部門生涯業績金賞を受賞
2010年 教育部文化功労者に指定される
20230516
FABRIC : Cotton100%
COLOR : White
COUNTRY OF ORIGIN : Japan