1997年にブランドを発足する以前にはアートスクールでファインアートを学んだ経験もあるRick Owens。アートや建築からインスピレーションを受け、まるでアート作品のようなデザインも含まれる同ブランドですが、DRKSHDWは2008年よりナイロンやポリエステル等のカジュアルかつケミカルな素材をメインにハイストリートスタイルを中心とした展開をしているラインとなります。スポーツミックスを得意とするELIMINATORのセレクトを好んで頂けるお客様には恐らくDRKSHDWにもご興味を持って頂けるのではないかとバイヤーとして自負しております。尚、DRKSHDWは国内でも取り扱い店が少ない上、同じアイテムでも素材展開が多い為、店舗によってセレクトする内容がかなり異なると思います。限られたセレクトショップでしか見る事が出来ないという環境もあり、希少なコレクションと言えるのではないでしょうか。本アイテムは昔からRick Owensが得意とするシルエットを特徴としていますね。股上を深く設定しヒップサイズを大きく取り、腰履きしたような見え方でハイストリート感を演出するようなRick Owensならではの個性が感じられるボトムスです。ナイロン素材のパッチポケットもデザインポイントになっていますね。
9月1日入荷商品RICK OWENS DRKSHDW公式通販 リック オウエンス ダークシャドウ正規取扱店
RICK OWENS DRKSHDW (リック オウエンス ダークシャドウ ) に関しましては、どこにも属さないオリジナリティーのあるデザイン哲学を持つ稀有なブランド・デザイナーとしてバイイングを行なっております。
1997年設立のRICK OWENSが2008年にスタートしたアナザーレンジがDRKSHDWです。DRKSHDWはRICK OWENS社とダイレクトディールとなり世界でも限定店舗での展開となります。
コレクションレンジのRICK OWENSがファーやレザー等のネイチャーな素材を用いるのに対しDRKSHDWは、ポリエステルやナイロン等をメインにケミカルな素材を用いている点が特徴です。RICK OWENS同様のシーズンテーマで製作されるコレクションです。
20AWはコレクションレンジ同様にPERFORMAというテーマで製作。テーマ名はアメリカを拠点とする美術史家、作家、批評家であるローズリー・ゴールドバーグ ( Roselee Goldberg ) が創設したパフォーマンスアート組織「 PERFORMA 」 が由来となっております。ローズリー・ゴールドバーグは世界初のパフォーマンスアート専門ギャラリー「 The Kitchen 」 の初代キューレターを勤めた人物。ローズリー・ゴールドバーグの主張は1900年代初頭から30年代における芸術活動はパフォーマンスが起源としており、パフォーマンスこそが既存の表現形態の区分を破壊し新たな方向性を指し示す前衛的活動であったと述べています。
ローズリー・ゴールドバーグの解説に関してはartscape.jpより参照
また、ドイツの現代美術家・彫刻家・教育者・音楽家・社会活動家であるヨーゼフ・ボイスにも影響を受けております。ヨーゼフ・ボイスからの影響はシグネチャーブランドのみならずMONCLERやBIRKENSTOCKとのコラボレートにおいてもインスパイア源の一つであると公言しています。衣装デザイナーであるLarry Legaspiと同様、RICK OWENSの中での敬愛するHEROの一人です。
ヨーゼフ・ボイスの言葉の一つをご紹介致します。「 人はみなアーティストである 」。これはみなが彫刻家や画家、作曲家、建築家だという意味ではなく、誰もが社会の中にあって様々な社会的プロセスの形成に関わる能力があると彼は唱えています。「 周囲に壁を作ったり、恐怖に縛られたりしてはならない。みなで意志決定の仕組みを築こう。人間にはその力がある 」 。
両者の作品群をコレクション内において直接的にウエアに引用するという事よりも、両者の革新性や独創性、スタンス、メッセージ等に刺激を受けながらコレクションにその世界観を盛り込んでいるものと推測されます。
その他のインスパイア源
ショールック後半のパワーショルダーが特徴のアイテム群は建築家ル・コルビュジエが第二次世界大戦中に考案した建築の基準寸法システムであるモデュロールの人体図からインスパイアを受け製作。ル・コルビュジエはモデュロールのことを 「 建築や、その他の機械の設計に普遍的に適用できる、人体の寸法に合わせて調和した寸法の範囲 」 。としています。フランス語で寸法を意味するモデュール ( module ) と黄金比 ( section d'or ) を組み合わせた造語です。1952年にマルセイユ郊外に建てられたユニテ・ダビタシオン等は配置計画や立面計画、家具等、全ての造作において徹底的にモデュロールが用いられモデュロールの合理性を世に知らしめた建築物です。
vogue.comより参照
ル・コルビュジエのモデュロールの解説に関してはartscape.jpより参照
ショールックに登場したグラフィカルなラインが施されたウエア等は1973年に山本寛斎氏がデヴィッド・ボウイのアラジンセインツアーの為に製作したジャンプスーツからインスパイアを受け製作。
その他、リサイクルプラスチックを用いたアイテムを製作するなどサスティナブルへの挑戦も実施。
股上が深いRICK OWENSデザインらしいボトムス ( 後身頃のカットをご覧下さい) はコットン100%素材を用い製作。ピーチスキンの様に独特な表情が特徴。フロントのパッチポケット部分はナイロン100%素材です。両サイドにスラントポケットがございます。後身頃のヒップポケットはポケット口にベルクロが付いております。
RICK OWENS : 1961年11月18日生まれ。カリフォルニアにて育ちその後ロサンゼルスに移住。アート・スクールにてファイン・アートを学びミシェル・ラミーの下でパタンナーを務めその経験を活かしシグネチャーブランドを1997年に立ち上げる。2002年にニューヨークコレクションでデビューしCFDAアワードでペリーエリス賞を受賞。2004年AWパリにてコレクションを発表。2019年に敬愛する衣装デザイナーであるLarry Legaspiについて執筆を行い、その書籍はニューヨークを拠点とし主にアート書やファッション関連書を中心に手掛ける名門出版社 「 Rizzoli 」から出版された。
FABRIC : BODY ( Cotton100% ) , PARTS ( Nylon100% )
COLOR : Black
COUNTRY OF ORIGIN : Italy