ZIP TRENCH COAT WHITE

ELIMINATORのベーシックなバイイングコンセプトは英国的であることです。しかしその根本にあるのは、英国人的な発想とファッションを単純なスタイルとしてではなく信念の一つとして捉えるスタンスです。COMME des GARÇONSはアート性の高い洋服であると同時に常に新しい価値観を模索し続け、アンチな精神をベースにイデオロギーに負けない自分自身を形成する為の挑戦を、ファッションを通して表現している点に共感し買い付けしております。それはまさに英国人的な精神に通ずるものがあると確信しています。COMME des GARÇONSブランドには複数のレーベルが存在しますが、当店にて扱わせていただいている " COMME des GARÇONS HOMME PLUS " はデザイナー兼、代表取締役でもある川久保玲氏が自ら手掛けるトップレンジ。卸先は国内でも数店舗しか許されていない貴重なコレクションとなっております。SS23シーズンのテーマは「 ANOTHER KIND OF PUNK 」。中世における宮廷に仕える道化師は、主君に対して癒しを与える存在だけに限らず、斬新な考え方や批判的な事も含めてアドバイスをする役割を持つ存在でもあったそうです。その時代において他人とは違う独自の考えを持ち、主君へ堂々と意見を述べる事ができる道化師の姿勢がパンクな精神に通じるものとして今回のコレクションテーマに設定。世の中への否定や批判を発信する事だけがパンクなのではなく、周りに流されず、個としてのオリジナリティーを持つ精神性は今の時代においても非常に重要な点と感じる事ができます。LOOK No.21で使用されたこのトレンチコートは身巾を大きく設計し、袖ぐりを無くして身頃と袖が一体化したパターンとなります。袖下から脇にかけてはマチを施し、腕を上げ易いよう可動域を考慮した作りに。さらに両脇と後ろ中心にファスナーを施し、開閉する事でシルエットをAラインへと可変させる事ができるようデザインされています。また、ファスナーを開け覗く生地部分には硬めの芯地を貼り合わせており、それに激しい洗いを加えた癖の強いシワ加工が施されています。このシワは簡単に取り払う事はできず、グシャグシャとした感じが立体的なディテールとしてデザインの大きなポイントになっております。尚、生地には同ブランドが得意とするポリエステルメインのマテリアルを採用。爽やかな白いコートという印象はなく、とても男らしい迫力のあるコートに仕立ててあります。