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Designer : Errolson Hugh ( エロルゾン・ヒュー ) / Establishment : 2002 / Country : Germany / Category : Technical , Function

GORE-TEX社の外部アドバイザーを務め、テクニカルウエアカテゴリーにおけるオリジネーターであるエロルゾン・ヒューが手がけるブランドがACRONYMです。商品リリースの哲学として、毎シーズン新しい物を生み出す事よりも、リリース毎に商品のレベルを上げていく事がポリシーです。例えば、ある商品が最初にリリースされた際、1.0という記号が付いており、シーズン毎に1.1、1.2と進み、レベルが別次元に届いた際に2.0と呼称。完成形との判断に至った際にコレクションから消えていきます。毎シーズン機能は進化し続けていますが、見た目は華美なデザインではなくシンプルになってきています。この事はエロルゾンの敬愛するSF作家であるWilliam Gibsonの「インターフェイスは進化すると透明になる」という言葉が、彼のデザイン上のモットーになっているからと考えられます。

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ACRONYM

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Designer : Errolson Hugh ( エロルゾン・ヒュー )
Establishment : 2002
Country : Germany
Category : Technical , Function

GORE-TEX社の外部アドバイザーを務め、テクニカルウエアカテゴリーにおけるオリジネーターであるエロルゾン・ヒューが手がけるブランドがACRONYMです。商品リリースの哲学として、毎シーズン新しい物を生み出す事よりも、リリース毎に商品のレベルを上げていく事がポリシーです。例えば、ある商品が最初にリリースされた際、1.0という記号が付いており、シーズン毎に1.1、1.2と進み、レベルが別次元に届いた際に2.0と呼称。完成形との判断に至った際にコレクションから消えていきます。毎シーズン機能は進化し続けていますが、見た目は華美なデザインではなくシンプルになってきています。この事はエロルゾンの敬愛するSF作家であるWilliam Gibsonの「インターフェイスは進化すると透明になる」という言葉が、彼のデザイン上のモットーになっているからと考えられます。

数十年前に街で携帯電話を持っている人が特異に見えたのが、今、その当時よりも機械としては飛躍的に進化した物を持っているにも関わらず、目にも留まらないという意味で、考えられるあらゆる能力を秘めながらも、だれの印象にも残らない服が彼の理想形です。

コレクションはミリタリーやアウトドアウエア・ギア要素の機能のレベルを下げる事無く、極限まで洗練させたもので、都会でも違和感を与えないファッションレベルでありながら、厳しい環境に対応可能な最高の " 外出着 " と言えます。
※このような特徴を持つウエアになった理由の一つはエロルゾンがカナダという温度差が激しく、環境が厳しい所で生まれ育ったことも影響しています。

生産はブランドスタート当初はチェコの小さな工房 ( ACRONYMで所有 ) を年間100%埋めることで妥協の無い物づくりをしていました。現在はテクニカルウエア製作に関して世界最高のクオリティーを誇るチャイナのファクトリーに切り替えています。バッグ類に関しては当初はドイツ軍のサプライヤーであるKHSで製作していましたが、bagjackと知り合って以降は、全てbagjackでの生産となっています。

自身がGORE-TEX社のアドバイザーでもある事から、常に最新の生地を使用しています。GORE-TEXの新素材を使用したACRONYMのサンプルをGORE社が営業用にオーダーし、営業部隊がそのサンプルを持って、他のマウンテニアリング系ブランドに新素材の提案に行くという事です。パンツに関しては空手の師範代でもあるエロルゾンが " 旋風脚を蹴れるパターン " を基準にするほど、動きやすさを考慮し、全てオリジナルのパターンで製作されています。

【ACRONYMの象徴的なディティール】
1 ) Forcelock : イヤホンを固定しておける、ネオジウム磁石入りの取り外し式のタブ ( 特許 )。

2 ) Jacket Sling : ジャケットを着用しない時に背負える、着脱式のストラップ ( 特許 )。

3 ) Gravity Pocket : ジャケットの袖口から携帯やデジカメを片手で取り出せるポケット。Stocko社( YKK Germany社 ) の特殊スナップを使用。Stocko社のスナップは、通常針金を用いる部分に高密度のポリマーリングを使用し、ルイヴィトンの " 三世代使い続けても緩まない財布用スナップ " というリクエストに対応した部材です。当初は高価なパーツだった為、Gravity Pocketのみに使用していましたが、今では、ほぼ全てのスナップボタンにStocko社のスナップを使用。

4 ) Escape ZIP : YKK社製のパーツ。消防士が熱を持った上着を瞬時に脱ぎ捨てられる様、ワンクリックで全開になるZIP。

5 ) ドローコード : 手袋をした状態でもドローコードの調整ができるように黒いタブを引くと閉まり、緑のタブを引くと緩む。これは上記のJacket Slingやバッグのストラップ類にも共通のルールとして採用されています。

6 ) フード : 一か所のタブを引くだけで、頭部の動きに完全にフィットする仕様になっています。強盗など、自分の身に危険が迫った際にフードを掴まれたら太刀打ちできない、というセキュリティーの観点からACRONYMのフードは脱着式、もしくは折り畳めるようになっています。

7 ) ホルスターポケット : 人間には少なからずワキにキャビティがあるので、そのキャビティを応用したポケット。狭い環境 ( 飛行機内、車で座った状態 ) でも簡単にモノが取り出せるように収納ポケットに対して、反対側の腕を交差して使用します。

【エロルゾン・ヒューとは】
1971年
カナダのWinnipegでジャマイカ系中国人の夫婦間に生まれました。建築家の父は現在、香港在住。母はカナダ在住。弟はLA在住。エロルゾン本人は6ヶ月間ベルリン、残りはU.S.A、Italyを回っています。Toronto Univ.在学中にパートナーのMichaela ( 同志社大学にも在籍していた事もあります ) と出会い、色々な国で暮らしてきた彼女の影響でMunichに1993年から移り住みます。

1994年
Acronym Agencyをスタートし、ARC'TERYXなど様々なブランドの外部デザイナーとしての契約を結びます。とりわけBurtonは12年以上黒子のメインデザイナーとして取り組んでいました。
※ARC'TERYX VEILANCEファーストシーズンのみAcronym Agencyでデザイン企画を担当。
※ARC'TERYX ( 代表作 : フロント斜めジップ " Arro " )。
※Burton ( 代表作 : iPodジャケット )。

1998年
Massimo Ostiから自身が行なってきた事を次世代に向けて再解釈して欲しいと頼まれ、共にBolognaで数ヶ月仕事をしましたが、結局、新ブランドとしての立ち上げはされませんでした。

1999年
現在の会社を設立し、2002年に最初のコレクションを発表しました。エロルゾンはデザイン・生産を担当し、Michaelaは総務・経理を担当しています。ACRONYMという名前自体は「頭字語」という意味です ( 頭字語の代表例 : National Aeronautics and Space AdministrationのNASA等 ) 。ミリタリー、アウトドア、モード等の様々な要素を持った実験的なコレクションを発表するというコンセプトを掲げています。

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